仏具について:仏具が揃い初めてお仏壇として機能する

仏像や掛け軸、さまざまな仏具

お仏壇をお求めになっても、それだけではお仏壇として機能しません。仏具をそろえ、荘厳(しょうごん。きれいに配置し、飾ること)によって、初めてお仏壇として機能することになります。

お仏壇には、その宗派を開設された仏様やお釈迦様などを「ご本尊」「脇侍」としてお祀りし、同様にご先祖様を供養する位牌(浄土真宗では過去帳)を安置します。ご本尊や位牌を供養するために、いろいろな仏具があります。お花を活ける「花立」、ローソクを灯す「火立」、線香を焚く「香炉」があり、これらは組み合わせ方で三具足と呼ばれる大切な仏具です。お花は、仏様の慈悲を表します。明かり(ろうそく)は、仏様の知恵を象徴します。香は自らの不浄を清めるとともに、仏法が誰にでも分け隔てなく、どこにでも届くようにという仏様の願いを表しています。この三つの基本を「香華灯明(こうけとうみょう)」といいます。

また、ご飯をお供えするための飲食供養具、リンや木魚など音の出る梵音具、装飾仏具である荘厳具などが必要になります。

仏具選びの注意点

まず、宗派により違う仏具があることを認識しておきましょう。とくに大切なご本尊や脇侍は宗派によって違います。きちんと確認しておく必要があります。位牌も浄土真宗では使用しません。代わりに過去帳を使います。

お仏壇の大きさによって仏具の大きさもバランスをとりましょう。モダン仏壇など、色やデザイン性の高いお仏壇には、それに合う仏像がいいですね。現在、若手の仏具デザイナーによって、さまざまなデザインのお仏壇に合う仏具が多数登場しています。お仏壇と仏具を別々に購入すると、実際に配置したときミスマッチが起こる可能性があります。購入されるお仏壇に仏具を飾った状態を確認したうえで、ご購入されることをオススメします。お仏壇とセットで仏具の販売をされている、商品数が豊富できちんとアドバイスのできる、そういった仏壇・仏具店で選ばれるといいですね。

お仏壇の大きさによっては、仏具を簡素化してもいいと思います。必ずそろえたい仏具、簡素化してもいい仏具の判断なども、専門店にお尋ねください。専門店が見立てた仏具は荘厳なので安心はできるでしょうが、ご自身で内容、価格などを確認したうえでお買い求めください。

仏具のお手入れ方法も購入時に確認を

仏具の素材は木製、銅製、陶器、磁気、金襴(繊維)、樹脂と幅広く、価格幅も大きいです。お仏壇に合う素材を選び、素材によりお手入れの仕方も変わってきます。同じ金色の仏具でも真鍮製はお磨きが必要ですが、金メッキを施してある仏具はお磨きしたら台無しです。長く使ってもらうためには、お手入れの仕方も専門店で確認しておきましょう。