お仏壇のお手入れ:コツをつかんで気軽に定期的なお手入れを

基本を抑えれば誰にでもお手入れは可能

部屋の掃除と同様に、お仏壇も定期的に掃除し、キレイに保つことが大切です。「金仏壇は掃除をすると、金箔が剝げてしまいそうで怖くて触りたくない」とおっしゃるお客様もいらっしゃいますが、基本を抑えれば難しくありません。「ご先祖様に失礼があったらどうしよう」と心配される方もいらっしゃいますが、ご子孫が心を込めて掃除されることに腹を立てられることはありません。ほこりが積もることがないよう、キレイにしておきましょう。ただ、お仏壇は基本的に木工製品ですから、直射日光や湿気などに弱く、細かな細工や金箔仕上げなどもあるため、慎重に扱うことを心がけてください。お手入れのスタートは、年に数回のお手入れの日を決めることから。例えば、正月や年2回のお彼岸、お盆、大切な供養の日の前など、お手入れを実行する日を決めて、取りかかりましょう。

ほこりを払ってから汚れを拭き取る

金仏壇、唐木仏壇、モダン仏壇も、お手入れの基本は同じです。まずは、お仏壇の外に仏具をいったん取り出しましょう。仏具を戻すのが不安でしたら、取り出す前に撮影しておくのもいいでしょう。そのあとは、お仏壇の内部をやわらかいはたきを使って、全体的にほこりを払いましょう。欄間や宮殿、仏像など、小さな細工がある箇所は毛筆用の筆などでほこりを払い、ドライヤーなどで風を送るとよく落ちます。そのとき、金箔や和紙の部分には直接手で触れないように気をつけましょう。あとはやわらかな布でカラ拭きしてください。線香やろうそくのすす汚れ、ひどい汚れは、水に濡らして固く絞った布で拭き取ってから、カラ拭きで仕上げます。とくに注意する箇所は、金箔部。手で触るとあとで変色する可能性があるほか、濡れた布などがあたると金箔が剝がれることもあります。

正しく薬液を使用すればもっとキレイに

もっとキレイにする場合は、ワックス系の薬液を使用してツヤを出します。お仏壇の材質、塗装によって、使用する薬液を確認することは忘れずに行ってください。柔らかい布や綿に薬液を含ませ、お仏壇に刷り込むように塗ったら、別の布で余分な薬液を拭き取ります。金仏壇の金箔部分が変色しているときや、漆の黒い部分の傷が大きいとき、唐木仏壇で変色が広範囲に広がっているとき、修理が部分的もしくは全体的に必要な場合など、お手入れ方法の判断がつかない場合は、専門家のアドバイスを受けましょう。また、お仏壇にあわせて、仏具もお手入れしたいもの。金メッキ加工の仏具や色を付けた仏具は、柔らかい布でほこりを拭き取るだけ。真鍮(しんちゅう)製の仏具は、布で拭き取るだけでなく、お磨き粉を付けて磨くと驚くほどにきれいになります。浸けるだけで仏具をきれいにする薬液タイプの商品もあります。